Junpei Qawasaki

博報堂アイ・スタジオという会社でテクノロジーをベースに新規事業とかインタラクティブなものとかを色々とやっております

勉強会の集客が突然好調になったのでその理由を考えてみた。

僕は開発者向けのコミュニティ運営を2つばかしやらせてもらっています。

1つは1年半前くらいに作った「Windows 8 Developers」で、Windows上で動くいわゆるストアアプリが主体のコミュニティです。
そのイベント(勉強会)を3/14にやるのですが、今回、過去イベントよりも俄然、集客の「引き」が強いので、その理由の考察をするというのがこのエントリの主旨です。

イベントを開けど集客に難あり

設立当初のイベントは正直集客も思ったように集められんかったのです。
今をときめくJavaScriptでネイティブのアプリ開発が出来るストアアプリにWeb業界の人はさぞ興味深々であろう。などと考え、意気揚々とFacebookグループ立てて第1回カンファレンスを定員90人で開催してみました。

結果、50人の申し込みで実参加者は40人くらいという微妙な感じのコミュニティデビューになり、続けてハッカソンをやってみましたが、こっちはもっと悲惨で10人集めるのが精一杯でした。

人集めりゃ良いって事も無いのですが、やはり「即完」してみたいのが人の性。
とはいえ扱っている内容がメジャーじゃない(言い過ぎ)ので無条件でハネる事はまず無い訳で。

高校生の文化祭ライブじゃないので闇雲に開催して人を誘う、というのも如何なものかと思い、イベントを2回やった後で何か手を考えないと行けないなーと思ったのです。

ハッカソンに付加価値をつけてみる

まず、ハッカソンも「みんなでいっしょに開発しよう」みたいな前時代的な考えでは駄目だと思い、企画ルールとして「ストアアプリ×何か」という風に技術×技術で"お題"を決めました。たとえばこんな感じです。

ハッカソン2回目 「ストアアプリ × enchant.js」
ハッカソン3回目 「ストアアプリ × KINECT

2回目はJavaScript界隈でゲーム向けライブラリで有名なenchant.jsと当時公開されたばかりのSkyDrive APIをターゲットにしました。このタイトルは結構当たって、20名枠に対して25人参加でした。

3回目はまた手法を変えました。そもそもストアアプリと連携出来ないKINECTを無理矢理連携させるチャレンジハッカソンとして定員を5名に絞って超小規模で開催しました。結果、WebSocketでKINECTを繋ぐアプリが出来て、イベント内容に対してコミュニティの活性化が出来たと思います。

他にも某コンテストと連携して「参加賞の景品」を用意したハッカソンも行ってみました。結果としては複数回開催して50人くらい集まったので悪くはなかったのですが景品ではモチベーションは上がらないような気がしました。

なんとなく、先端を取り入れてみる

カンファレンスは会場を抑えたり集客をしたりで準備に手間と時間がかかります。
とはいえ時間を空けすぎるとコミュニティ自体が活性化せず人も離れてってしまいます。なので開催の楽なハッカソンを2回やってカンファレンスを1回やるくらいのペースでイベントを打っていくことにしました。
メンバーが150人を超えたくらいで3回目のカンファレンスを打ってみたところ、やはり4〜50人くらいから集客が伸びず、また次の手を考えきゃいかんなーと思ったので、カンファレンスの時にこんなハッカソンを発表してみました。

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ちょうどFirefox OSが発表されて実機が手に入るようになった頃です。「WindowsFIrefox OS」という意外性を持たせて、場所もMozilaJapanさんをお借りしました。結果、このハッカソンはコミュニティ過去最多の40人規模になりました。

この時に発見したのは下記です。

"いかにイベントの第一印象で興味を引き、参加したいと思わせるか"


まぁ、基本と言われれば基本なんですが。


で、そこからは半年くらいコミュニティ寝かせていました。
そろそろイベントを打たないとなーと思い、久々にカンファレンスイベントをやろうと思い、相変わらずの集客の不安を引きずりながら今までのイベントを見つめ直して企画したイベントがこちらです。



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すると、

なんということでしょう。

発表から数日で定員の60席が埋まりました。

今回変えた事といえばこんな感じです。

①メインビジュアルをインパクト系(2次元キャラ)にしてみた
②開催日を平日(しかも金曜)の夜2時間だけに絞った
③推したいワードを盛り込んだ(Xamarin,Unity,モーションデバイス)

まず、開発者の属性を考えてFacebook/Twitterとかでシェアしたくなるものをチョイスというのが①の狙いです。結果として今までのイベントでは殆どされなかった「いいね」とツイートをしてもらえ、発信元(Facebookグループ)と関係ない人の参加率が高くなっています。
次にイベント自体をなるべくコンパクトにする為の平日開催ですが、結果的に2時間という制限で気軽に参加しやすくなったのかもしれないです。人と繋がるのが目的な人は「懇親会」に参加してもらえれば良い訳ですし。

で、あとはセッション内容ですがこれはシンプルに「自分がいま技術者として聴きたい事」の3つに絞りました。勿論、ストアアプリに絡めた話をしてもらうのですが、Unity等の「分かり易い」ワードを前面に出しました。

そう、色んな意味でコンテンツが重要って事に今更気付いた訳です。

どんな分野でも変わらないものなのですね。


こんな所がいままでのイベントの振り返りと今回の集客UPの考察です。

たまたま好調なだけかもしれないし、イベントもこれからなのでまだまだ継続して推進出来る手を考える必要はあるのですが、コミュ運営って結構大変なので同じような心境のどなたかの参考にでもなればと思いって書いた次第です。

今回、とりあげてたイベントはまだATNDから参加出来ます。ご興味ある方は是非。
イベントサイトは色々な種類があるのですがATNDはFacebookとの親和性悪いのと、イベントページ編集の操作性が悪いのでそろそろ限界かなーと思ってます。

ちなみに2つやっているコミュニティのもう1つは2013年末に立ち上げた「Unity/OpenCV/WebGLで遊ぶ会」です。Facebookグループでどなたでも参加可能になってますので、お気軽にご参加ください。こっちのコミュニティは名前の通り技術属性強めなので、もうちょっと練ってからイベントやりたいと思ってます。

では。